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フェンシング世界ベテラン選手権に行ってきました

World Veteran Fencing Championships 参戦記録+諸々

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ヴァルナ観光(1) まずはタクシーチャーター

試合の翌日10/5はタクシーをチャーターしてヴァルナ市内と近郊を観光です。

タクシー料金は出国前に調べた範囲では以下のようです。
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ブルガリアのタクシーは黄色で料金の表示が義務付けられている。
料金は会社によって異なる。         
初乗+走行距離もしくは初乗+時間運賃                                         通常は初乗運賃: 0.99 レヴァ      運賃: 1kmごとに0.79レヴァ(昼間)、0.89レヴァ(夜間)
時間料金(ウエイティング): 1分ごとに0.25レヴァ(昼間)⇒1時間15レヴァ、0.35レヴァ(夜間)程度

*例:タクシーチャーターでネセバル観光(3時間)をする場合。
0.99+(約100Km×2(往復)×0.79レヴァ)+(3時間ウエイティング×15レヴァ)=203.99レヴァ
≒100ユーロ

これが交渉のMAXです。
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実際、掲示されていた料金は上記の通りでした。

さて、10/5 9時から17時までタクシーチャーターで観光です。
ホテルの駐車場に止まっているタクシーと交渉です。

最初の言い値は160レヴァでした。
落とし処は120と決めています。
100と言うと、すぐに120と言ってきました。
ついでに「じゃあ110」と言うと
115で決着です。

1時間のウエイティングで15レヴァですので8時間拘束ですと、走らせなくても120レヴァです。
逆に150キロ走り続けさせても120レヴァ程度です。
バルナ近郊観光で150キロは走りません。オフシーズンのヴァルナで1日115レヴァはドライバーさんにも大もうけのはずです。
復習ですが2レヴァ≒1ユーロです。
同行者と2名での観光です。ひとり30ユーロですので、ドライバーさんとwin-winです。

観光の詳細は別の記事で。

ちなみに17時に試合会場に付けてもらい、ドライバーさんを解放します。
同行者が金を渡すと、それを見ていた他のタクシーのドライバーが囃し立てます。
「旨い事やったな!!」って雰囲気です。
少なくとも100までは落とせた雰囲気です。

でも、損したとは思っていません。win-winです。
同行者はさらにチップを払おうかと言っていますがそれは止めさせて頂きました。

ちなみにドライバーさんは道中こまめにメーターを倒してレシートを出してました。
多分、ノルマは60レヴァ未満で、ノルマオーバー分は懐にダイレクトインですね!!!!!。(想像)

この日の感触では、ネセバル観光も100~120でいけそうです。この先、私の人生で
ヴァルナからネセバルに行く予定はありませんが。






反省(その1)

オランダさんは「知らないほうがいい」と言いましたが、
調べておくべきでした。

帰国してから、ヨーロッパベテラン選手権の結果をネットで調べてみました。

プールで対戦した5人中3人が出場していました。
スウエーデンの選手が最上位で
オランダさんは中堅どころ
私が唯一勝ったスロバキアの選手は全敗していました。
ポーランドの選手は参加していませんでした。
(カナダの選手も当然参加していません。)

10/4、組み合わせは試合の3時間以上前(6時)に発表されていましたし、
私はその前に食事を済ませています。時間は十分にありました。
情報を事前に整理しておけば、相手の戦績くらいは事前に把握出来たはずです。
予選通過のために誰には必ず勝たなければいけないのか、誰には負けてもしょうがないのか(相手が格上という前提での試合運びをするべきか)を事前に把握するべきでした。そのためのネタはネットに普通に落ちていました。

本大会の参加者は日本にいる間に公式ホームページで発表されています。
参加者の情報を調べる時間は十分にありました。
たとえば、オランダフェンシング協会のページでは
数年前からのオランダさんの成績がすべて乗っています。
十分、情報を集めることができたはずです。

対戦相手のことを調べもせず、観光情報を調べていました。
これからは、公式ページで参加者が発表され次第、情報を整理のうえ、現地入りです。
観光情報は後回しです。
(・・・・・とは言え、実は、自分自身を盛り上げるためにヴァルナの観光情報は
国内予選開始前から集めていました。来年もそうします。)


それにしてもヨーロッパベテラン選手権は年代ごとに40歳からで、
エペの40代、50代はそれぞれ140人以上の参加です。
ヨーロッパの選手は40代からヨーロッパ内で同世代と対戦して、50代になるとそれにアメリカ、日本、カナダから最大4人ずつ+南米やオセアニアから多くて数名が加わって世界ベテラン選手権を戦うわけですね。経験値が違いますね。
重ね重ね、経験値を少しでも埋めるための情報収集はしておくべきでした。



決勝トーナメント(その3)

私の最終成績は60位でした。
予選60位通過の選手が予選5位の選手に勝ったため、ひとつ順位を下げました。

他の日本人選手は2人、決勝トーナメントに残っています。
その内のひとりは私の初戦の相手だったカナダの選手に勝ち、ベスト32です。もう一方もトーナメント初戦を勝ち上がり、ベスト32です。残念ながら、そこまででした。

オランダさんも2戦目で、優勝した選手に当たり、ベスト32敗退です。

オランダさん「今日の内にオランダに帰ります。」
私「私はもう少しヴァルナに残ります。また、来年会いましょう。」
オランダさん「来年は南の島という噂だから無理かも。でも、会えるといいですね。」と言って、早々に会場を出ていきます。

試合前夜ですので昨晩は酒を飲んでいません。ビールを飲みたくなりました。売店で買ってひとり飲み始めます。日本円で100円程度てす。

決勝トーナメント(その2)

試合がはじまります。
私はここでひとつミスをしました。

相手を確認せずに試合に臨んでしまいました。
ドイツの選手であることだけは確認しましたが、予選の戦績や順位を確認しませんでした。
漠然と弱いもの同士が戦う「小山」の気分でいました。
実際は60名参加のベスト64トーナメント。予選1位から4位が一回戦シード。予選5位と60位が当たります。予選59位の私の相手は当然、6位の選手です。

試合が開始し、最初の得点が入るまでに50秒程度掛かりました。
クードゥブルです。双方に1点です。
この時、感じました。「こいつ、出てくる時、膝を突ける」と。

膝へのコントルは数ヶ月間、練習してきました。私の師匠が教えて下さるフェンシングは基本的には「先後の先」を取るフェンシングです。
ですが、膝へのコントルは最初からこれをやると決めて、出す技です。(一般論でそうだというのではなく、教えて頂いたやり方がその様なやり方だという意味です。)
「先前の先(対の先)」を取りに行く技です。
教えられて、違和感のあった技ですが国内予選でも、数回使っています。

決まりました。一点目から数秒後です。
2-1でリードです。

で、私の初めてのベテラン選手権はここでほぼ終わります。

直後に前腕への攻撃を矢継ぎ早に決められ、リードされます。それで切れてしまったと言うか、経験の浅さが出てしまいます。まだ試合時間が十分あるにも関わらず、まるで残り10秒のような攻撃を繰り返し、10-5で惨敗です。

60代の日本人選手が声をかけて下さいます。「2分半で10本は取られ過ぎだよ。もっと時間を懸けて楽しまないと。」と。「楽しまないと」を「頭使わないと」に読み替えるとより良く意味が通じます。


決勝トーナメント(その1)

今回の世界ベテランでは、各カテゴリー・各種目とも参加者の約80%が決勝トーナメントに進みます。



たとえばサッカーの試合では、予選リーグは各グループ内の順位で決勝進出チームを決めますよね。
私が学生のころはフェンシングも同じでした。当時は5人プールの3名上がりといった形式で
各プール内の順位で予選通過者が決まっていました。

今は(と言ってもかなり以前からですが)、
①勝率
②「突き数」-「被突き数」
③突き数
と言った要素で参加者全員を並べて順位をつけます。
ですのでプール内で最下位であっても予選落ちするとは限りません。

まず、勝率が最優先されます。
7人プール(6試合)で1勝の選手は勝率16.7%です。
私のプールは1名棄権したので1勝の勝率は20%です。

0勝の選手は当然、私より下です。
7人プールで1勝の選手も私より下です。

0勝の選手が4人
7人プールで1勝の選手は8人でした。
私と同じ6人プールで1勝は私を含めて6人でした。

73人中60人上がりですので
6人プールで1勝の6人の中からひとりが予選落ちです。

私は下から2番目59位で予選通過です。

60位の選手と61の選手の差は「突き数」-「被突き数」、2本です。

私と60位の選手との差は「突き数」-「被突き数」、1本。
私と58位の選手との差は「突き数」-「被突き数」は同じで、突き数差が1本でした。

58位の選手は私に負けたスロバキアの選手でした。
オランダさんは30位、ポーランド選手はその1つ上、29位
スウエーデン選手は1位上がりです。
カナダ選手は48位です。

今年で5年目の参加、1勝するのに3年掛かった日本人選手が声を掛けてきます。
「一年目で上がれてよかった。ひとり棄権でラッキーだったね。」と。
「棄権してなかったら2勝していましたよ。」と返します。
もし、スペインの選手が棄権していなかったら、カナダ選手との試合も2戦目になって
戦い方が違っていたかも、という思いが頭を過ぎります。

なんであれ、qualifierです。ボーダーラインの上です。もう少し楽しめます。










他人の試合~Team Japan

今回、私は初めての世界ベテラン参加です。
10月1日深夜に現地入りしています。
試合は4日ですので、試合まで現地で丸二日あります。
試合前に、大会へのエントリーと武器検査があります。当然、会場の下見もします。
それと2~3時間程度、練習するつもりでした。ですので2日共、一旦は、会場入りします。でも、一日中、会場に居るつもりはなく観光をするつもりでいました。

元々、他人の試合を見るのは好きではありません。応援に時間を割く気はありませんでした。

さて、10月2日は10時半のシャトルバスで会場に行きます。エントリーを済ませてアリーナに行きます。
50代男子フルーレと50代女子エペが行われています。現地に着いてから初めてお会いした日本の皆さんに挨拶しながら、見るともなく試合を見ていました。本当に最初は「見るともなく」です。

私の隣で今回5回目出場の人が興奮しています。「◯◯さん、勝ったよ。初出場なのに凄いよ。」と。
この方自身の初勝利は、3回目の大会だったそうです。この方は「自分が基準(スタンダード)」です。この方に取って「初出場ー初勝利」はとても凄いことなのです。
いつもならネタにして突っ込むところです。
でも、この日は妙に伝わってきます。
私も◯◯さんが勝ったのが素直に本当に嬉しかったです。

翌日も自分の練習をしつつ、応援をします。
息子のハンドボールの試合以外で声を出して誰かを応援したのは何年ぶりか覚えていません。
気持ちのいい時間でした。

私の試合はご無理を言って、50代エペの選手にビデオを撮って頂きました。
今回の代表になるまで口を利いたことのない方です。ビデオを見ると、私を応援してくださる声が途切れることなく入っていました。泣きそうになるくらいうれしかったです。

Team Japan:毎年参加されている方には毎年のルーティーンかもしれません。でも私には特別な時間でした。





予選プール(その6)

予選最後の試合です。

試合前にオランダさんが声を掛けてきます。
「いくつ勝っている?」
私は憮然として答えます。「zero」

オランダさんは私が2つくらいは勝っていると思っていたようです。
申し訳なさそうに「とにかく頑張れ」みたいなことを言います。

言われなくても・・・・・・

スロバキアの選手が相手です。
開始30秒で不用意に突かれます。
日本で戦ってきた相手より強いとは思いません。
1分後に1本取り返します。
で、そのままタイムアップです。
私も相手も決め手がありません。

プライオリティはまたまた私です。
良いのか悪いのか判りません。
プライオリティはいらない気分でしたが、3連荘です。

30秒程度でクードゥブル((両突き)。
その後、残り10秒を切って相手が仕掛けてきます。
相手の剣身が私のすねを叩きます。
でも剣先は・・・空を斬っています。

私もたまに同じことをやります。
打つ手が無くなって、最後に相手の脚を狙って・・・、肩口にコントル喰らう・・。
でも、今回はそれをやったのは私ではなく対戦相手です。

私は相手の空いている肩口にまっすぐ剣を伸ばします。
世界ベテラン最初の一勝が転がり込んできました。

隣のピストの日本人選手が右手を突き上げてくれています。
オランダさんが「こんぐらぁ」って言って来ます。
ビデオを撮ってくださっていた方が「勝ったとこ、ちゃんと撮ったよ」と微笑んでいます。

「50歳で世界一になる」数年前に設定した目標は遠いままです。
決勝トーナメントに出れるかどうかは微妙です。
でもとにかく勝ちました。

予選プール(その5)

いよいよ後が無くなってきます。
次はポーランドの選手です。

まず、私の剣が上向きに湾曲していると主審にアピールしてきます。
主審は私の剣を手で曲げるしぐさをしますが、まあどうでもいいって感じです。
実際、ポーランド野郎の剣のほうが下向きに湾曲しています。

先にも書きましたが、このポーランド選手は腹が出ています。
負けたくありません。

2分10秒の間、お互いに点が入りません。思いがけず残り50秒でフリッキングを決められてしまします。
私は主審に私のポイント(剣先のことです。日本ではポイントと言いますが英語圏ではTipと呼ぶこともあります。)の確認を要求します。
問題なく反応しました。

5-1で負けます。残りの50秒間は切れてしまいました。最悪です。

次にこの選手と対戦することがあったら必ず冷静にボコリます。
今回は完敗です。自分に負けた気分です。


 

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